| 上顎臼歯部には上顎洞(副鼻空のひとつ)という空洞が存在し、骨の絶対量が不足している人が多いため、この部分のインプラント治療は最も難しいと言えます。
私が名大でインプラントを始めた1990頃は欧米のデーターで上顎臼歯部のインプラントが5年後に機能している割合が75%とあまり良い結果ではありませんでした。さらに日本人は欧米人に比べて顎骨が貧弱なので成功率はもっと悪いと思われました。
私自身の経験でも手術時にインプラントを骨にしっかりと固定できその後、何も問題が無かったのに、6ヶ月後に骨との結合(オッセオインテグレイション)が得られない患者さんがみえました。
1995年以降、それまでの表面が純チタンのインプラントより5ー8倍骨との結合が強いといわれるチタン表面に骨の成分であるハイドロキシアパタイトを約一万度で溶解・吹きつけたハイドロキシアパタイト(HA)コーテイングインプラントを使用に踏み切りました。このHAインプラントの8年間の成功率は100%で上顎臼歯部だけでなく、抜歯直後の条件の悪い骨などでもインプラントを植え込むことができるようになりました。
HAコーテイングインプラントにはHAが剥がれる、溶けるという評判もありますが、メーカーによってコーテイングの技術に差があり良い結果が得られず市場から消えていった物も多いのが事実です。私の使用しているノーベルバイオケアー社のステリオスHAインプラントは1989の発売以来その形状を変えておらず、評価の厳しいアメリカ市場で最も高いシェアーを占めており信頼できると考えています。
さて話を上顎臼歯部に戻します。この部分は骨量が不足すると伴に、上顎洞の存在により解剖学的形態が複雑なのでCTによる診断が必要です。CTによる画像をデジタル化しシムプラントというソフトにかけ三次元で解析してインプラント埋め込みをシュミレーションすることができます。これにより出たとこ勝負を避け,より安全確実にインプラント手術ができるようになりました。
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