≪ドライソケット≫
抜歯したところの穴は通常血が固まって肉のような組織を作って治癒していきます。 ところが血の塊が流れて取れてしまうと、周囲の骨がむき出しになり、痛くなります。
特に食べたり飲んだりすると刺激が伝わって激しい痛みを感じます。この状態をドライソケットといい、露出した骨が自然に薄皮に覆われるまで10〜2週間ぐらい痛くてつらいです。

その間の対応としてはぬるい生理食塩水で抜いた穴をきれいに洗浄し、清潔なガーゼに抗生剤の軟膏をまぶして穴につめておくとずいぶん楽です。
もちろん不潔になるので毎日洗浄してガーゼ交換してください。
ドライソケットは抜歯後約2%の頻度で起こるそうですが、私は経験したことがありません。 当院では抜歯後イソジンなどでうがいしないよう徹底して患者さんに注意します。しつこくうがいすると血の塊が流れてしまうからです。
それと私は抜歯後ほとんどの場合縫合します。周りの歯肉を縫い寄せることによって血の塊は流れにくくなります。また止血しやすくなり感染しにくくなり、きれいに治るのでいい事ずくめです。絶対縫合すべきです

≪神経麻痺≫
これも多いので驚きました。
下顎の親知らずの下には下歯槽神経という比較的太い神経が走っています。人によっては歯の根がこの神経に近接しており、抜歯時に神経を損傷する危険があります。
神経が切断されるようなことは稀ですが、少し傷つけられたり、圧迫されただけでも麻痺が生じます。

神経組織の回復はきわめて遅いので麻痺は数ヶ月から一年ぐらいはとれません。
それと下顎半分を痺れさす伝達麻酔をする場合にも針の先で神経を損傷することがあります。この場合は舌が麻痺することがあります。
| いずれにせよ抜く前にレントゲンなどできちんと見極めて慎重に操作すれば未然に防げます。私も卒業一年目の研修医のとき一度だけやってしまい戻るのに半年かかったことがあります。
麻痺にはビタミンBやE が出されますが、ほとんど気休めだと思います。 |
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≪後出血≫
抜いた後血が止まらない。ほとんどの場合はガーゼを強く確実に噛んで抜いた穴を押さえていれば必ず一時間以内に止まります。翌朝まで唾に血が混じることがありますが、心配ありません。
局所麻酔薬の中には血管収縮剤が含まれており止血効果があるので、麻酔が切れたころにまた出血し易いので注意してください。
縫合してあると止血し易いです。
抜いた歯の周りに感染した不良肉芽がたくさん残っているとなかなか止血しないことがあります。その場合は夜遅くならないうちに歯科医に連絡しましょう。
あまり夜遅い時間に厄介な親知らずを抜くのはやめましょう。休日の前日に抜くのも避けたほうがいいでしょう。 |