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すごいぞ! 中国歯科技工の現状

すごいぞ! 中国歯科技工の現状


 行ってきました、出してみました、中国の技工所へ。昨年北京のデンタルショーで知り合った東莞の技工所の台湾人の社長(老板)が自身満々で「一度うちに出してみろ。」というので、まず家内のメタルボンドブリッジと従業員のセラッミックインレー(エンプレス)を郵便局の国際ビジネス郵便(EMS)で送っておいて取りに行って来ました。

 3月の土曜日、診療を終え開港したばかりの中部空港から香港へ。翌朝10時のフェリーに乗り一時間で深セン福永港へ、イミグレーションを出ると電話で約束したとおり先方の女性社員と運転手が迎えに来てくれていた。彼女はチェリーと名乗り本名は不明だが、20台真ん中ぐらいの小柄な湖南人だ。中国から一度も出たことが無いそうで相当訛りのキツイ英語を話す。私が中国語(普通語)で挨拶したので驚かれました。
目的の技工所、定遠歯研はここから車で約一時間、広東省東莞の大嶺山鎮というかなり辺鄙なところにあった。緑もほとんど無く砂埃が舞うまるで西部劇に出てくる荒野の町のようだ。 東莞は今や「世界の工場」と呼ばれるとおり工場だらけであるが中国でも最も治安の悪い所なので少し緊張しました。

 技工所の門の前には求人広告が張り出してあり若者が群がっていたが、なんと視力4.0以上と書いてありました。
定遠歯研はもともと陳社長の日本の学校を出た歯科医だったお父さんが台湾に創設したのだが1995年に大陸に移転したそうだ。従業員は約700人、日本ではありえない規模だが、中国では10番目ぐらいの規模だそうです。


意外と小さな建物
 
陳社長と

 建物はそんなに大きくなくきれいでもないが、設備機械はなかなかすごい。デンサプのジルコニアCAD/CAMセルコン, BEGOのレーザー溶接器、アルゴンキャスターなど欧米の有名メーカーの機械が目白押しだ。

 


セルコン スマートセラミックス
 
アルゴンキャスター


エンプレス
 
レーザー溶接機

従業員は主に若い女性で、四川省や湖南省など内陸部からのいわゆる出稼ぎだ。鋳造やポーセレンの炉には男性が多く従事していた。彼らは故郷の親兄弟のために働いており、また技術が身につけば給料も上がるので勉強意欲は高く、残業も厭わないそうだ。

 さて仕事の中身だが、家内のメタルボンドはマージンの仕上げもきれいでなかなかの出来栄えだ。注目すべきは作業模型だ。通常の歯型を分割した模型と歯肉だけをトリミングした分割してない模型の二つを使って作成したようだ。


歯型と台の間にエポキシの層がある。
 
2種類の作業技型

 
上顎のフルブリッジ

この分割して無い模型で鋳造後のブリッジを調整すれば適合はかなりいいはずだ。さらによく見ると歯型と模型の台の間に一層エポキシの含まれた石膏が敷いてある。これなら作業中に石膏がかけたりして位置が狂うことは無いだろう。今まで日本の技工所では歯型がガタガタだったり咬合器を開口すると歯型が落ちたりすることがしょっちゅうあった。案の定、帰国後セットしてみると、抵抗無く支台歯に適合しコンタクトも良好だった。咬合のみ若干調整したが、家内の感想も「入れた日から違和感が無い。」ということだった。
 

 

さてエンプレスのインレーだが、二級となると今まで適合が良かったためしがない。


エンプレスインレー(2級)

定遠ではこれも模型を二つ使っている。製作用の模型は内面にスペーサーを塗るし、プレスする時に強圧がかかるので痛んでしまう。調整用の模型を別に作っているのだろう。これも今までではじめて納得できる適合でした。どうもドイツのマイスターがメーカーから派遣されて指導していたようです。

 帰国後すぐ陳社長から「出来はどうだったか。」とメールで感想を求められたが「期待していたよりずっと良い。日本と比較しても上だと思う。次回はもっと難しいのを送る。」と返信すると、「お前の得意なインプラントを送ってみろ。」と催促された。そこでちょうどトラぶって泥沼になっていた上顎の(MB)フルブリッジを再印象したのとブロネマルクインプラントの内冠二個を送ってみました。インプラントの方は少し心配だったので写真や絵を付けて詳しく指示を出しておいた。

 中10日で技工物は返って来た。驚くことにフルブリッジの適合は極めてよく、支台歯を削らなくてもぴったり入った。咬合もほぼ無調整でOKだ。歯間部分の形態が少し問題だった(ハイジニックな考慮が足りない)が驚くべき出来だ。


インプラントドルダーバー
 
インプラント内冠

インプラントの方も慣れていないのか電話やメールで何回か確認してきたが、少し研磨が足りなかったがよい出来だった。見よう見真似でなく理屈を理解して製作しているのがよく分かる。相当知識と経験のある技工士がいるようだ。さらに驚くのはこの品質で送料を含めて日本の三分の一以下のコストで済みました。

 「えっ、何語でやり取りしているかって? メールとFAXは英語で電話は英語と中国語(広東語ではなく普通語)のちゃんぽんです。後は根性と熱意で強引に意志の疎通を図ってます。」

 これまで7ヶ月間、約40症例を出しましたが。失敗は適合の悪かったMBブリッジ一例だけ。急いだので国内でやり直して、適合の悪かったブリッジを理由添付して送り返したら後で返金してくれました。技工物は中8〜11日で必ず届きました。土日をはさんだりすると通関できないので日数がかかるようですが到着すれば2〜3日で作って送り返してきますので国内の技工所で失敗して日にちがかかるよりはストレスが少なくて済みます。
白いメタルと言われるジルコニアのブリッジ(セルコン)や日本未認可のバルプラスト(軟性ビニールデンチャー)も出してみましたがなかなかの出来でした。

 
セルコンのブリッジ

請求の間違いも一度もありません。さすがISOを3つも取っているだけのことはありしっかり管理されているようです。

 『中国製』というと「安かろう、悪かろう」というイメージでしたが。本当にこの技工所に関してはそのレベルは驚異的です。私が開業して出した技工所の中で一番上手いのは間違いありません。日本でも金に糸目をつけなければもっと上手いところがあるのかも知れませんが、この値段でこの技術ですよ!驚異的です。

 『無資格者がつくっている。』とよく言われます。中国には確かに技工士の資格はありませんが彼らの素質や士気は極めて高いようです。図書室は夜遅くまで勉強する若者でいっぱいでしたし、仕事の後で作業所ではカービングを練習する者もいました。何せ職を求める若者はいくらでもいるのです。優秀で勤勉なものだけが残っていくようです。

 

 北京や大連の技工所にも出してみましたが、レベルは比較にならず納期もいい加減でした。中国での評判も聞きましたが、どうもこの定遠がNo.1のようです。保険外の技工物なら海外へ出しても法的に何も問題はありませんし、使用材料も金属はリヒテンシュッタインのイボクラー社(実際にはカナダのウイリアム社製)で陶材は米国のセラムコ社などのブランド物ですが日本よりかなり安く仕入れられるようです。材質が良く、技術の高いものが安く手に入るのですから、当然患者さんの治療費も安くすることが可能です。

 

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