≪なぜ抜くのが大変なのでしょうか?≫
もともと奥歯(大臼歯といいます)は根が2本あるいは3本あり、骨の中にはりだしていれば簡単には抜けないことが多いのです。 その上、まともにはえていない親知らずは、周りの歯ぐきを切って開いたり、時には周りの骨を削らなくては歯を出すことができません。 また奥で道具もとどきにくいので抜くのが大変なのです。

≪最もやっかいな下顎水平埋伏智歯≫
下の親知らずで完全に横向きで骨に埋まっている歯を下顎水平埋伏智歯といいます。 こいつはいわば親知らずの王様(歯科医にとっては大魔王みたいな歯)です。こいつの根が2本ある場合は、抜くのはなかなかやっかいです。 いいかえれば、こいつ以外の親知らずは熟練した歯科医にとっては、そんなに難しくはありません。
抜歯の時間が長くなりそうな場合は親知らずのさらに奥、のどの近くに麻酔(下顎孔伝達麻酔といいます)をして、下アゴ半分をしびれさせれば抜いている間が楽です。 またこの麻酔は4〜5時間は効いているので抜き終わった後もしばらくは痛みを感じず、その間に鎮痛剤を飲めばそれほどの痛みを感じずにすみます。
一般に、抜いた後の痛みやはれは削った周りの骨の量に相関します。 このため後が楽なように抜くには、骨を削るのは必要最小限にし、歯のほうをバラバラに小さくして取り出すのです。 時間は余分にかかりますが、患者さんの苦痛は最小限ですみます。

親知らずの王様、下顎水平埋伏智歯
バラバラにして取り出せば痛くないよ。

みなさんに忠告しますが、親知らずはほどほどのところで抜いておかれた方がいいと思います。 はれているときは消炎して、はれを引かしてからでないと抜いた後が痛くて抜けません。 また妊娠中なども避けた方がよい時期があるので、痛いのを我慢していただくことになります。 体調の良いときに思い切って抜いておくのがよいでしょう。 とことん我慢して、とうとう口腔外科に入院ということのないようにしましょう。 |