≪歯を抜けたままにしておくと・・・≫
(1)抜いた歯の前後の歯が傾いてきたり、抜いた歯とかみ合っていた歯がのびてきて、かみ合わせが悪くなります。(図1,図2)

(2)片方の奥歯だけ、前歯だけで噛んでいると、やがて残っている歯に無理がきて、残っている歯を早く失うことになります。
(3)土手がますますやせて、幅がせまくなり、入れ歯がはいりにくくなります。
(4)最後には、かみ合わせのバランスがくずれて、顎の関節に異常がでたり、口元がまがってくることがあります。

≪総入れ歯とはどんなものか・・・≫
| ●入れ歯が口の中におさまっているわけ
ガラスの面どうしが少しの水分でくっつくように、歯ぐきに入れ歯がぴったり合っていると入れ歯が口の粘膜から離れにくい状態になります(吸着現象)。
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●総入れ歯の構造
[人工の歯(人工歯)]
いろんな色・形・材料のものがあります。前の歯は天然の歯に似せてつくられており、
奥の歯はものをかみ砕くのに都合がよいようにつくられています。
[人工の歯ぐき(義歯床)]
人工の歯を固定する部分であり、なくなった歯ぐきをおぎない、また、かんだときの力を歯ぐきに伝える部分です。歯ぐきと接する部分は、なるべく広いほうがかんだときの力を受けるにも、歯ぐきに入れ歯をくっつけておくのにも都合がよいのです。
 

≪部分入れ歯のはなし≫
「入れ歯」を入れると歯がなくなる?!
現在のように虫歯や歯周病の治療が進歩すると、いきなり全ての歯を失って「総入れ歯」になってしまうことはめったにありません。 「部分入れ歯」には1本だけ歯がなくなってしまったものから、1本しか歯が残っていないものまで、さまざまなバリエーションがありますが、おおむね(図1)のような構造をしています。
欠損した歯数がすくなく、両隣にしっかりとした歯があるような場合には、入れ歯は小さくて安定が良く、残っている歯を痛めるようなこともないのですが、なにぶん初めて入れるものですから、思ったより異物感が強く、はずしても残っている歯でかめるので、邪魔くさくなってしまうことも少なくないようです。
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残っている歯が少なくなってくると「入れ歯」をバネやハリ金(クラスプといいます)で固定してある歯に無理な力がかかるようになり、歯がグラグラして抜けてしまうことがあります。
こうしてクラスプをかけた歯が後ろから順々になくなっていくこともあります。
このため残っている歯が前歯だけになった場合、歯に連続して冠をかぶせ、補強してから入れ歯を入れたり(図2,図3)、
| 図2
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図3
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下顎の前だけ6本になった残った歯を
冠を連結することによって補強する |

連結された歯に対し「入れ歯」を装着する
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さらに1本や2本しか歯が残っていないのにクラスプで「入れ歯」を固定すると、すぐ歯がダメになるので、歯の根だけ残して、根面板というフタをして「入れ歯」のなかへいれてしまう(オーバデンチャー、図4,図5、図6)とかえって入れ歯が安定し、根の周りの歯ぐきもやせません。
| 図4
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図5
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図6
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上顎に1本だけ残った
歯1根だけ残し根面板で覆う |

下顎の両側犬歯も
根面板で覆う |

オーバーデンチャー、
見た目は「総入れ歯」だが、
根を残したことにより
歯ぐきはやせず、
「入れ歯」の安定は良い。
歯ごたえも残る。
根っこだけでも充分に使える |
また根がしっかりしていれば根面アタッチメントという維持装置をつけて「入れ歯」をさらに安定させることもできます(図7,図8)。
| 図7
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図8
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根面板につけたアタッチメントの雄部
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「入れ歯」の内面につけたアタッチメントの
雌部。維持安定が良くなる。 |
またクラスプの代わりにアタッチメントを使用すれば、バネやハリ金が見えなくなり、見た目の良い自然な形の「入れ歯」を入れることができます(図9、図10)。
| 図9
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図10
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前歯の冠につけられたアタッチメント
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アタッチメントを使用し、ばねや針金を
見えなくした「入れ歯」見た目スッキリ |
部分入れ歯」の制作過程は「総入れ歯」より複雑で手間がかかりますが、保険診療では総額2〜3万円にしかならず、奥歯の1歯欠損に対する3本ブリッジ(約4万円)より低く、歯医者や歯科技工士にとって、もっとも採算のとれないものになっています。
使用する金属なども粗悪なものしか使えず、もちろん前述したアッチメントは保険適応外です。
このような低い評価が「部分入れ歯」を歯抜き装置にして「総入れ歯」への通過点にしてしまっている原因の一つといえます。 |